浄土宗東京教区青年会行事報告

浄土宗東京教区青年会行事報告のためのブログです。

2017.3.9 全国浄青第42回総合研修会@大本山増上寺

3月9日(木) 午前9時より、大本山増上寺光摂殿講堂にて、全国浄土宗青年会主催による総合研修会が開催されました。今年は東日本大震災七回忌にあたることを受け、震災関連の先生方にご講義賜りました。
第1講義
日蓮宗 仙寿院 御住職 芝﨑惠應先生より、お話しいただきました。
ご講義の中で津波の生々しい映像が流れ、あっというまに家が流されていく様子のあまりの迫力に言葉を失い、自然と涙が溢れてきました。
岩手県釜石市のご自坊本堂を解放し、避難所として700名もの被災者を受け入れ、物資などを提供し、5か月間、被災者と共に向き合ってこられたそうです。
御自身より被災者の方を優先に考え支え続けられた姿には、僧侶としてのあり方を改めて考えさせられました。
被災者のPTSD予防を心がけていたつもりが、ご自身や奥様が発症してしまったという壮絶なご苦労もあったそうです。
日頃からお釈迦様の教えを大切にしていたからこそ、いざというときに人の命を守り、差別なく救うことができたとお話くださいました。
私たち青年僧が今できることは、僧侶として仏様の教えを皆様に説いていくことであろうと改めて感じました。
第2講義
大槌稲荷神社宮司 十王舘勲先生より、お話しをいただきました。
大槌稲荷神社は、岩手県大槌町に安渡地区に鎮座しており、元より岩手三陸は日本一地震や津波が多い地域でしたが、震災当日の揺れは全く違う、経験したことのない揺れだったそうです。
半数以上の方々は堤防を超えるようなことはないと考えておられましたが、電柱の根元部分から水柱が回り始めた頃から、気がつき始めたそうです。
江戸時代から昭和の始めまでは、沖合の島にお宮がありましたが、その後高台に移築され、津波の避難所の役割を果たしておられました。
日頃から亡き祖父に「津波がくると目の前にある街並みが全部なくなる、津波がきたら明かりを目指して避難してくる人々の為に、明かりを消してはいけない」と言われており、当時の十王舘先生は、意味がわからず聞いておられたそうです。
しかし、実際に起こった津波の被害によって、お宮を避難所として解放し、5か月間100名前後もの被災者を受け入れ、物資を提供されました。
寒い時期だった為、お年寄りや子供たちを真ん中に寝かせるなどして、皆で協力して自衛隊を待たれたそうです。
自衛隊が到着し、物資や道路が使えるようになった途端に協力体制が崩れ、悩み苦しむこともおありだったそうですが、ある被災者のおばあさんの言葉が運営を続ける力となったそうです。
十王舘先生は時折、声を詰まらせながら、ゆっくりとお話しくださいました。
6年たった今も、震災を経験した人しかわからない壮絶な記憶や思いがあり、また十王舘先生が祖父の思いを継承し、避難所として受け入れたことにより、この街の多くの被災者が無事救われたのだと感じました。
第3講義
伊藤淳・寿江先生より、お話しをいただきました。
津波の震災による莫大な被害を受けられ、自宅の一階部分の天井部まで浸水したそうです。
当初は地域全体が全壊扱いとなり、集団移転対象となりましたが、突然一部を除き現地再建の方針が仙台市より提示されました。
より安全な内陸部で安心した子育てをしたいと願う若い世代を中心に、お二人は移転活動を開始。
移転には多額の費用がかかる為、地権者が渋る局面もありましたが、何度も話し合いを行った結果、元の場所から2キロ内陸の久保野地区へ移転することが決定されました。
お二人が声をあげなければ、このような結果はもたらされなかったことでしょう。
共感し合える仲間とともに行動を起こし、反対者と何度も話し合い、移転・再建にたどり着いたことは、長い道のりではあったけれど、次世代の未来に繋げていける希望になるのではないかというお話でした。
また、移転したくとも費用の面で諦めている方々のご事情も知ることができました。
第4講義
篠原洋貴先生より、お話しをいただきました。
現在は、いわき市社会福祉協議会において、「誰もが住み慣れた地域で 安全で安心して暮らし続けることができるまち いわき」の実現に向け、地域住民による支え合いの取り組みやネットワークづくりに取り組んでおられます。
震災前は34万人近くいた住民が震災後は32万人減少。
被災者の中でも、賠償を受けている人と受けていない人とが分散化し、再建が進む所もありますが、進まない所のほとんどが経済的な理由で叶わず、悩んでおられるそうです。
ボランティア活動についても、震災当時は市外からたくさんの方々が支援してくれましたが、年が経つにつれて、参加者が減少しているのが現状です。
寺院は地元の社協と繋がって、お寺を解放して集会場を作ったり、顔の見える関係を築き、自分自身が地域の為にやりたいことではなく、やれることを少しずつ長く心がけて下さることを願いますとお話いただきました。
檀家さんや地域住民と密な関係を築き、お互いに歩みよりながら協力して支援を続けられるよう、これからも努力しようと改めて感じました。
東日本大震災から6年経ちましたが、未だ避難生活をされている人は多く、被災地域の人口は減少が進み、復興事業の遅れが出ています。経済的な面で再建できずに悩んでいる被災者の方々が多くいることに驚きました。
これからも、青年僧だからこそできること、共感できる仲間を増やし、協力して長く継続することの大切さを、未来の後輩も伝えていきたいと感じました。
改めて支援を続ける重要さに気付かされた、貴重なご講義でした。
全国浄青会員の参加者は 208名、うち東京浄青会員46 名の方々に、ご参加いただきました。
ありがとうございました。

事務局 松並木
全浄研修会ブログ用
スポンサーサイト

FC2Ad